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慶應通信関係者へ告ぐ



訴訟とは直接関係の無い方へ

 真面目に勉強する人も、不真面目に勉強する人も、学費を支払っている以上、あなた方には学習する権利があります。慶應義塾は、学生に対し、大学レベルの授業を行って、成績に応じた単位認定をし、その単位が所定の単位数に達した場合には卒業・学位授与を行う義務を有します。
 大学通信教育においては、通学課程で行われる授業を、テキストとレポート提出という形で行います(スクーリングは除く)。通学課程では、教授の生の講義を聞けて、必要に応じて質疑応答ができます。通信教育部では、このプロセスを、テキストを読んでレポートを提出することで理解度を深め、返却されたレポートの結果を見てテストを受けるかどうか、自分の理解度はこれで良いのかどうかを判断するのです。慶應のシステムは、レポートを出しさえすれば科目試験が受けられるとなっていますが、これは本来のシステムからいえばおかしいのです。レポートで不合格を得るかもしれない人が、試験を受けることができるなんて、本末転倒です。
 慶應の通信教育部の歴史がどうかなんて、私は知りませんが、「レポートを出せば、その合否に関わらず受験できる」というシステムそのものが、怠慢教員が存在するために作られた、暫定的な規定なのではないかと思います。しかし、この規定が存在するために、怠慢教員は減らないのだと思います。
 もしシステムそのものを私が改革できるのであれば、年に5回ほど、全ての科目に一定の締切を設け、その締切日までに到着したレポートは、1ヶ月以内に返却される。返却されない場合は、1科目につき1万円の損害賠償がなされる。という規定を設けます。
 いつ提出しても良いという規定だからこそ、学生も教員もいい加減になるのです。


塾生に告ぐ

 さて、私は慶應の学生であることを辞して、この訴訟に踏み切りました。
 この行動によって、勝敗はともかく、前例ができます。
 この前例は、「通信教育を行う大学に、通信添削の義務はあるのか否か。そしてその義務を履行しなかった場合は、損害賠償請求の対象となるのか否か。」というものです。もし、私に軍配があがれば、大学側は同様の訴訟を懸念して改善に向かうと思われます。逆に大学側に軍配があがれば、少なくとも「学費を取って添削を行わない通信教育でも違法ではない」と、裁判所がお墨付きを与えたことになります。つまり、慶應の通信教育部は、裁判所お墨付きの合法的詐欺集団になるのです。
 もし、あなたが「慶應義塾大学卒」のブランドが欲しいのであれば、この詐欺的集団に属するほかはありませんが、どこの大学でもいいから勉強したい、大卒資格が欲しいと思うのであれば、こんな詐欺集団に所属すること自体、お金の無駄です。六大学がいいというなら法政大学を、法律を学びたいのであれば中央が無難でしょう。


慶應義塾に告ぐ

 あなた方は、どうしてこんなにアホなのでしょうか?
 どこの世界に、通信添削を行わなくて良い大学通信教育があるのでしょうか。準備書面には「通信添削が遅れることがただちに履行遅滞とはいえない」などと記載されていますが、それでは何のための通信添削なのでしょうか。
 この程度のこと、どうして素直にゴメンナサイができないのでしょうか。「今まで私たちは偉そうにしていたけど、やはり通信添削は真面目にやるべきだと思いなおしました。ごめんなさい。」と、どうして素直に謝罪できないのでしょうか。
 あなた方が私に送りつけた準備書面には、私の不真面目学生ぶりが、随分書かれてありました。でもね、もし、私が真面目な学生だったら、こんな事件が起こらなかったと断言できますか。あなた方は、「真摯な学生態度が見られない」などと、ずいぶん高級な言葉を使って私を非難したけど、真摯な学生態度が見られる人と、見られない人と、どうやって振り分けているのですか。私がたまたま不真面目学生だったから、そこを突いただけで、どっちにしても、レポート返却が遅くなっていたでしょう。そうでしょ?違います?
 私は訴状や準備書面で、何度もこのことを述べてきたけど、誰一人として回答してくれた方はいませんよ。


通信教育部事務局に告ぐ

 先日、東芝の社員が苦情を申し立てた客に対して罵倒したというテープがホームページで公開され、すごい反響がありましたね。 あれほどすごくは無いけれど、「ああなるほど、慶應の事務局は、こういう対応をするのね」というテープを、実は私、持っています。ただ、裁判では証拠とはなりにくいでしょうから、訴訟では使いませんが、いつか「慶應義塾は裁判所お墨付きの合法的詐欺集団」と認定された場合には、ホームページ上で公開しようと考えております。
 でも、事務局の皆さんは、普段から恥ずかしくない行動をとっていらっしゃるでしょうし、事務局の職員として恥ずかしくない、真摯な態度で学生に接していると思うので、大丈夫ですよね。


訴訟担当者の皆さんへ告ぐ

 あなた方の雇った弁護士先生は、さすがに法律の専門家だけあって、けっこう説得力のある準備書面を書いてらっしゃいます。友人の新聞記者に見せたら、「慶應が勝ちそう」と言うくらい、立派な文章です。しかしですね、それは論点のすり替えにすぎません。 「大学の債務は成績をつけることであって、レポート添削は債務ではない。だから債務不履行ではない。」なんて、よくもまぁこんなふざけたことを大真面目な文章で書けるものです。
 仮に、移送先の地裁の判事がアホで、うまくあなた方が勝ち、「大学通信教育はレポート添削をしなくてもよろしい」というふざけた判決が出たとします。でもね、レポート添削をしてくても良い大学通信教育って、法律や判例がどうだったとしても、「どっかおかしい」って思いませんか?
 それと、弁護士4人というのはお金の無駄遣いじゃありませんか?どう考えても、あとの3人はお飾り(私を威圧するだけの目的で名前を連ねてる)にしか見えないんですけど。
1999年8月11日 松本肇


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