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事件の概要


慶應義塾大学通信教育部のシステム

 慶應義塾大学には、日本で最も古くから存在するといわれる通信教育部があります。
 本当に勉強したい人が、安価で、かつ一流とされる大学で、一流とされる教授の授業を受け、その大学の通学課程卒業者と同じ卒業資格を得られるというこのシステムは、困難があっても本当に学びたいとする人々の賛同を得て、学生が増えました。
 卒業までは、「テキストを読んでレポートを書いて、提出して試験を受けて単位を修得する」という方式で約90単位を修得し、「実際に授業を受けた後に、試験を受けて単位を修得する」という方式で約30単位を修得し、そして「指導教授のもとで卒業論文を書く」という方式で8単位を修得することで124単位以上を修得することが必要です。


レポート返却がなされない通信教育?

 しかし、この一流大学の通信教育部では、かなりいい加減に行われている面があります。それはレポートの添削・返却です。
 ふつう、少なくとも日本語を理解することのできる人ならば、「通信教育」と言われれば、それが民間であろうと大学であろうと、「課題を提出して、添削・返却が受けられ、その添削を見て理解度を深めること」ができると、誰もが思います。そしてその添削結果は、提出すれば、「適当な期日までに返却されるもの」と、誰もが思うでしょう。しかも、それが「超一流の大学となれば、きちんとそれが機能している」と思うでしょう。
 通信教育部を持つ大学は、法政大学、日本大学、中央大学、放送大学など十数校がありますが、私の知る限り、この通信課題の添削や返却は迅速に行っています(長くても2ヶ月程度)。

 ところが、慶應義塾大学に関しては、この作業が極めて遅いのです。主な原因は、添削担当者(大学教授)の作業がルーズというところにあるようですが、もし民間の通信教育でこのようなことが行われていたら、詐欺だのインチキだの言われ、場合によっては警察沙汰になることもありえます。しかし、民間企業では「詐欺」にあたる状況が、あの有名な一流大学で起こっているのです。


何もしてくれない事務局

 そして大変残念なことなのですが、私の愛する慶應義塾大学は、この点を改善しようとしてくれません。通信教育部の事務局へ問い合わせしても、「あなたのレポートは受理されているが、まだ返却されない。もう少し待つように。」と言われるだけです。この問題は昔からあるはずなのに、教授も事務局も、効果的な改善が見られません。
 他大学ではきちんと機能しているレポート添削・返却の作業が、慶應に限ってルーズなのです。


教授はお忙しいので…

 このルーズさに対し、事務局の方は、二言目には「教授は研究や学会にお忙しいので、時間がかかる」と言います。天下の慶應義塾大学の教授ともなれば本当にお忙しい方が多いと思います。
 でもね、どんなに忙しくても、それが通信ではなく、通学課程の学生だったらどうですか?
 忙しいのでテストを採点しませんか?
 成績を付けませんか?
 卒論を見ませんか?
 慶應のお忙しい教授は、仕事がどんなに忙しくても、通学課程の学生に対してのみ、最低限のケアをします。(もししなかったら、それこそ訴訟沙汰になっているでしょうね)


しょせん私は一学生

 いくら一学生である私が苦情を言っても、結局のところ、このふざけた添削システムは変わりません。しょせん彼らは「高卒ならば入試の無い、アホでも入れる慶應通信教育部」という程度でしか我々を見ておらず、話し合う余地すらありません。
 そこで私はこの問題を法廷に持ち込むことしました。私は弁護士でも、法律の専門家でもありません。市販されている訴訟本を見て訴訟を提起するズブの素人です。たぶん、慶應義塾大学は優秀な弁護士を立ててくるでしょう。私も勝訴するとは思えません。
 しかし、第一に、大学側と法廷という場所でとことんまで話し合ってみたいという点、第二に裁判所という公権力の力を借りて、改善を促したいという点、ついでにこの問題を、広く社会に知らしめたいという点から、意義のあることだと私は思っています。
1999年8月11日 松本 肇


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