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あれから1年…慶應は変わったのか


 慶應義塾が「3か月以内にレポートを返せるように頑張ります」という和解案を提示し、それを承諾して確定。あれからちょうど1年が経過しました。
 私は除籍されてから1年半以上も経ちましたし、いまさら慶應にいろいろ言える立場にはありませんが、この1年を振り返ってみたいと思います。


■レポートは3ヶ月以内に返却されるようになったらしい
 私自身、もう学生ではありませんので、本当のところはわかりませんが、以前はあちらこちらで「レポートが遅い」なんて言われていた添削業務が、それなりにきちんと機能しているようです。
 慶應塾生新聞会から取材を受け、情報を聞きましたが、正しい情報のようです。


■入学希望者に対し、入学者は少なくなったらしい
 慶應の通信教育部は、入学願書提出時に小論文を提出することになっているが、この選考で落とされる人が、訴訟以後、多くなったという。
 つまり、それなりのレベルを持った人が合格し、そうでない人は落とされるようです。
 大学通信教育は、「どのような人にでも、等しく高等教育を受ける機会を与える」という建て前があり、本当は選抜することについて異議が出るかもしれません。しかし、誰彼構わず入学させ、レポート添削が遅くなって、通信生全員の学修が遅れるよりも、ある程度選抜して、滞りなく学修が進むことを優先させることは正しい選択だと想います。
 もちろん、私への批判として「あんたのせいで慶應に入れなかった」という意見も否めません。


■レポート添削者への報酬が上がったらしい
 1ヶ月以内にレポートを添削して返却したら、添削報酬が何割増かになるという話を聞きました。
 ある添削者から「今まで、レポートは貯まる一方で、年に1度くらい死ぬ気で取り組んでいたが、この報酬規定のおかげで計画的に添削作業を行う習慣ができた」というご意見をいただきました。
 そうです。頑張った人にはそれなりの報酬をあげて然るべきなんです。


■やっぱりレポートの添削規準は業界最高らしい
 慶應通信教育部は、大学通信教育業界全体で、やはり最高水準の得点を要するようです。
 放送大学の大部分の科目で課題・試験ともにマークシートが用いられ、かなり楽に単位が修得できることと比較すると、慶應で単位を修得することが、かなりのレベルの論文能力が必要かがわかります。


■他大学への波及効果もすごかったらしい
 関西の大学通信教育部では、正当事由なく3ヶ月以内に返却しない教員に対しては懲戒処分を科す規定を盛り込んだところがあるそうです(しかも2校)。
 いつの間にやら「添削は最長3ヶ月」というのが、スタンダード化してきたようです。


■放送大学への入学者が増えたらしい
 私があちこちでアピールしてしまったせいか、慶應入学希望者が、放送大学へ希望を変更するという話をよく聞きます。
 中でも、心理学系の履修希望者が放送大学へ流れる傾向が強いようです。
 確かに、4年間かけて30単位くらいしか取れないくらいなら、4年間できっちり放送大学を卒業して、慶應通信教育部に学士入学した方が、実は早いなんてこともありますから…。
 放送大学へ1人勧誘したら1万円貰える…なんて規定があったら、今ごろ私は億万長者になんていたかもしれませんね。


■私の名前はちょっと有名らしい
 私に一度でも会ったことのある方は、「え、こんな兄ちゃんが慶應を訴えたんか?」といいう印象を持つようです。確かに、人畜無害な感じはすると思います。
 でも、昔から私を知っている人は、「お前ならやりそうなことだ」と言います。
 このホームページがものすごくインパクトあるようで、「××大学の学生ですが、大学を訴えたいんです」、「○○県の看護学校を卒業しましたが、どうしても納得がいかない点があります」といった相談が多いです。
 もちろん、妥当性のある相談は受けますし、協力もしますが、私の名前を出して「この人に言いつけてやる!」というのはやめてください。とある地方の大学職員から私に相談が来たんです。
 ダチョウ倶楽部の「訴えてやる!!」というギャグじゃないんだから、不用意に訴訟なんて考えちゃダメですよ。

2000年12月24日 ロサンゼルスにて 松本肇

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